禁酒90日を超えていた

私はアル中である。

 

正確にはアルコール依存症と表記するのかもしれないが、自分に対してはあえてアル中と呼んでいる。

 

アル中というと時間問わず飲み、酒が切れると手の震え、発汗、幻覚が発生し、常時酔っている人間を想像するかもしれないが、私はそのような症状はない。

しかしアルコールに限らず「自分で欲求をコントロールできない」時点で依存症なのだ。私は365日の内360日は飲むし、泥酔した挙句〆のラーメンを作ろうとガスコンロに鍋をかけてそのまま寝てしまい、朝になって反省して「もうお酒はやめよう」と誓っても昼には「何を肴に呑もうか」という思考に憑りつかれ、結局ウキウキしながら家に帰っていた。どんな失敗をしても、止めたいと思っても、どうしても飲酒欲求(飲酒習慣)から逃れることができない時点で、私は立派な(?)アルコール依存症だ。

 

そんな私も過去に禁酒に挑戦し1か月ほど禁酒したのだが、結局スリップしていまい、そこからは一層アルコール量は増え、より強いものを求めるようになっていった。最終的には毎日ビール350mlを2缶、酎ハイを1缶、ウーロンハイ(5:5)を1l、日本酒を4合ほど毎日呑んでいた。毎日スーパーハイテンションで歌いながらベットに潜り込み、当然寝る前のことなど覚えていない状態だった。

 

そこからまた一念発起して禁酒を始めたのは2018年11月7日。今日で92日目だ。

1か月ほど薬の力を借りたとはいえ、自分で自分を褒めてあげたい。勿論アルコール依存症の禁酒は一生続くもので、先輩方からするとたかだか92日ごときでと怒られるかもしれないが(実際依存症の治療や断酒会のようか集会ではあるらしい)それでも私は自分を褒めてあげたい。

 

今ではすっかり飲酒欲求もなく、お酒とは無縁の生活を送っている。

 

 

 

 

 

わけない。

今でも残っている日本酒を料理に使おうと蓋を開けた瞬間に香る芳醇な米の香りは喉がぎゅーとなるし、ビールのCMは私の視線をくぎ付けにする。そこに1㎜も飲酒欲求が無いかと聞かれれば、当然ある。ただ禁酒が軌道になるまでの辛い期間を思えば、またあんな思いをしたくないからと飲まない選択をしているだけで、もし余命1年とかお酒をどんなに飲んでも病気にならない薬という免罪符ができれば私は秒でビールの蓋を開けるだろう。

 

それでもそんな都合のいい(?)話がわるわけもなく、僕は自分の脳裏にこびり付いた小さな小さな飲酒欲求を誤魔化しながらまた1日と禁酒を積み重ねていくのである。